喫茶ノムラへいらっしゃい!
私が屋上から出ようとすると、突然後ろから抱きしめられた。

井上の意外と大胆な行動にドキドキする。

「先輩。俺、先輩のこと好きです。」

「うん、知ってる。」

私が後ろを向こうとすると、井上の腕に力が入った。

「こっちは向かないで下さい。恥ずかしいから。」

耳のすぐ横で井上の声がする。

いつも聞いてる声なのに違う声に聞こえる。

「先輩?俺と付き合ってください。」

どっからそんな甘えた声が出るんだろう。

私の心を自分が揺さぶっていることに、井上は気づいてるんだろうか?

「いいよ。」

井上の腕を優しく撫でる。

「今日の先輩、なんか優しいですね。」

トロンとした雰囲気のまま、井上が言った。

「これから、光吏って呼んでもいいですか?」

その言葉を聞いた瞬間、私は振り返った。

「バカっ!いいわけないじゃん!!」

井上のほっぺを思いっきりつまんだ。

「痛っ!」

そう言いながらも、私たちは2人とも笑顔だった。

「じゃあ、俺のこと龍って呼んで下さいよ。」

「どうしよっかなぁ?」

私たちの笑い声はいつまでも続いた。
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