妄想科学研究所【短編】
「デパート内ではあまり大きな事は無かったわ」

ドクターは話を聞きながらヒロシを床から引き抜いてソファーに寝かせてやった。

「まあ、持って行ったサンダルに履き替えようにも、アレを置いておく所も持ち歩く事も出来なくて、結局履いたまま買い物するハメになったとか、そのせいで超注目の的だったとかはあったケド」

(ヤバイ…またしても怒りゲージが溜まってきたようだぞ)

ヒロシはまだ目を覚まさない。腹をくくる必要がありそうだ。

「つまり、問題は帰り道で起こった?」

「その通りよ」

華は、ほんの数時間前の事を遠い目で語った。


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