妄想科学研究所【短編】
突きつけられた指先から何か発射されそうでコワいので、やや身を逸らしながらドクターも反論してみた。

「だがなあ華、道路交通法は変えられんから、せめて原付ぐらいには保安部品が必要だと思うが、いかんせん付ける場所がない」

「それなら作ればいいのよ場所を!そうよ、それだわ!」

それまで修羅の形相だったのが一転無邪気な笑顔になり、かわいく両手の平を打ち合わせる。これだから女はコワイ。

「えーと華さん?それだわってドレですか?」

「だから保安部品を付ける場所を作るのよ。全身にね」

ドクターはイメージしてみた。西洋の全身鎧にヘッドライトやテールランプを付けた感じか?

違う…これはむしろ…
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