ラブ@メール
プロローグ



「この裏切り者!!」



バシーンと叩かれた右頬が、じんじんと痛む。


物凄い形相で、私を睨む彼女。

目には涙を浮かべている。


そして、私に冷たく背を向け、コンクリートの地面を蹴り上げた。


「咲、待って!」


彼女は、何かを誤解している。

そう思った私は、慌てて彼女の腕を掴んだ。

彼女はそれを力強く振り払う。


それ以上傷つくのが怖くて、私は彼女を追いかけることが出来なかった。



ポケットの中で、携帯のバイブが鳴り響く。

携帯を開くと、未読メールが2件。

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