ラブ@メール


今までに好きな人ができたことは、何回かあった。

好きな人から告白されて付き合うことも、何回かあった。


きかっけは、全てメール。

どの相手とも、メールのやりとりをしている間に告白された。


別に、男心を掴むメールのテクニックがあったわけでもない。

好きな人がメールを頻繁にくれるようになるのを、ああ、嬉しいな、と思っていただけだった。

ただそれだけなのに、なぜか私は「メールで男を落とす達人」だと周りに思われていた。


「好きな人にメールを送りたいんだけど、何て送ればいい?」とか。

「何て返信すればいいか分からないから、代わりに打って!」とか。

そういうことを頼まれることが多かった。



そして、彼女もそのひとりだった。

さすがに携帯電話を丸ごと渡されたのは、初めてだったけれど。


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