恋 理~renri~
ちょ…ちょっと待って…、い、いま何と…!?
「ええ!?だ、だって…わ、私と…、け、結婚!?」
「うん、そう」
「えぇ!?い、いきなり…!?」
素っ頓狂な声を荒げていると分かっていても、もう止まらなくて。
口をパクパクさせていれば、大和は得意の笑顔を見せてくるし…。
「俺は時間より、気持ちの問題だと思うけどなぁ。
仕事でも言えるように…、どんな事でも“心”の通い合いだと思うんだ。
ビジネスといえど、血が通った人間同士だしね?」
「うん、そう思う…けど、私たち…」
営業職に留まった事じゃないけれど、取引先に対して誠実であるのが前提で。
そんな信頼を勝ち取ろうとするには、真心を持って仕事に臨むべきだと思うから。
大和の言わんとする事は、同業者としてもよく分かるし頷いたものの。
どうしても突然すぎる“結婚”のフレーズが、腑に落ちないのよ…。
「確かに出会ってから間もないし、知らない事が多すぎるよな…。
それでも“この子だ!”と思ったのは、真咲だけなんだ。
知らない穴はこれから埋めていけば良いって考え…、ダメか?」
「や…、まと・・・」
あまりに真剣な表情をした大和から、私はもう目が離せなかった・・・