星に願いを。

花火大会と熱




「花火大会?」




8月に入ったばかりの暑い暑い日。


それは、親友の日和からの突然のお誘い。





「…って。あの近くの河原の?」


《うんっ。一緒に行かない?》






花火大会…か


すごく行きたい。


何より日和が誘ってくれたんだもん。


断りたくはない。






けど……







「すごく行きたい…んだけど、」



あたしは口を濁す。





《けど?何か用事?》



「ううん。用事とかじゃないんだ、けど」





最近、少し気になっていることがあって。




「その花火大会、泰ちゃんも一緒じゃ…ダメかなぁ?」


《泰輔さん?》



「あのね、……実は」










最近、泰ちゃんの様子が明らかにおかしい


ぼーっとしてることが多いし

そう思ったら眉間にシワを寄せて考えごとしてるし


それも、話かけても聞こえてないくらいの集中力で。




考えごとくらい普通にあるだろうけど

さすがにこの頃心配になってきて。







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