rainy monday
「と・・・藤間くん!」

私がしりもちをついているのを見て、藤間くんはとても申し訳なさそうにしている。

「ご、ごめん!そんな驚くと思わなくて・・・」

まるで“怒られてしょんぼりした子犬”のようだ。

「ふふっ・・・大丈夫だよ。」

藤間くんの様子が可愛らしくて、つい笑ってしまった。

「あっ、今笑ったろ?」

「だって…藤間くん、怒られてしょんぼりした子犬みたいなんだもん。」

私がそう言うと、藤間くんは顔を赤くした。

「“しょ、しょんぼりした子犬”て!どうせ可愛いとか思ったんやろ?」

反応も、可愛い。

「・・・思った。」

「もー、どうせ思うなら“面白い”にしてや。可愛いて、男としては微妙なもんやで?」

「でも、可愛いんだもん。」

「でも、男としては微妙!分かったらもうあんまり言わんようにしてや。」

「はーい。ふふふっ。」

・・・言わないけど、勝手に思ってようっと。


そして突然、手が差し出された。

私がぽかんとしていると、藤間くんは

「はい、手。香月さん、しりもちついたまま。」

と優しい笑顔で言った。


< 7 / 9 >

この作品をシェア

pagetop