ミュージック・ラブ〜君がくれた歌〜


『ケイゴ…。そ、そうだよね、ケイゴ。ありがとう。ケイゴの言う通りだよね、だから今は泣かない。ハンカチ…涙で汚しちゃってごめんね』


レイナは涙を浮かべながら笑みを零した。


そんなレイナの笑みを見たケイゴは安心した。


『あのさ、レイナ。今言うのも何だけど、僕会社辞める事にしたんだ。レイナみたいにさ、自分のやりたいことやってる人って、すごく輝いてるんだよね。僕にもきっとやりたいこと…僕にしか出来ない事ってあると思うから…僕にとっての夢を頑張って見つけようと思う』


そう言いながらケイゴは、歩道橋の手すりにもたれ遠くの霞行く景色を見つめた。


レイナも涙を拭き、ケイゴの隣から同じように遠くを見つめた。


『ケイゴ。私もそれで良いと思う…。ケイゴの“夢”見つかるといいね、お互い頑張ろう』


そう言ってレイナは、ケイゴの方を向いてニコッと笑った。


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