愛しのご主人様



「俺の傍にいればいいの」


初めて逢ったとき、陽岡先輩はそう言ったっけ。


…陽岡先輩…、


今、あたしは白鳥先輩の傍に居るんですよ…――?




「素直じゃねえな、あいつも」


白鳥先輩はボソッと、呟いた。



「え…?」


「いーや、なんでも。
雪乃ちゃん、陽岡は大丈夫だから行こっか!」



「はい…」



すっかり元気を無くした、あたしは白鳥先輩の後をトコトコ付いて行った。




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