りんごゆき
「それにしても、今日雪降って良かったな。」
同じ値段の切符を買いながら柊くんが言った。
「俺、かりんと一緒に雪見たかったんだ。」
柊くんがにこっと笑った。
寒くて凍えそうなのに、私の心はなぜか暖かかった。
私は柊くんと出会うまで何にも興味なんてわかなかった。
好きなものなんてなかった。
世の中嫌いなものばかり。
そんな私に、好き嫌いなんかじゃ表せない気持ちを教えてくれたのが、
柊くんだったよ。