りんごゆき

今思えば、私は本当に世間知らずだった。

覚えていないほど下らない理由で親と喧嘩して家を飛び出した。

確か進路とか将来とかそういう類の話をしていたような気がする。



私には、夢なんてなかった。

やりたいことなんて思い付かなかった。

全てが下らなく感じて、一生懸命頑張ることなんて馬鹿馬鹿しいと思ってた。

頑張ったところでそれが何になるの?



親とも衝突してばっかり。

愛想笑いばっかしてる自分に気付く。



だけど。

だけど、心の奥では何かしたかった。

こんな毎日嫌だって叫んでた。

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