南月さんの迷探偵ファイル
情報収集
―涼也が餅達と別れてから……



餅達が旅館に帰った後の店は、昼時が過ぎて、店には客は、涼也一人になった。


「おばちゃん。手空いた?ちょっと聞きたい事あんねんけど。」

と涼也は、ニィと笑って言った。


「あらあら、そんな顔で頼まれたら断れないじゃないの。聞きたい事って何?」


少し顔を赤くして、明るく笑いながら、涼也の前の席に座った。


「あんな、懸水館のことやねんけど。」


「懸水館?あそこねぇ〜。……実はね、懸水館の大旦那さん、再婚なのよ。」


戸惑いながらおばさんは言った。


「再婚?今の大女将は、二人目の奥さんって事?」


「えぇ、そうよ。前の大女将は病気でお亡くなりになられたのよ…。」


おばさんは残念そうに、そして、悲しい顔をして言った。


「病気で…。」


涼也がつぶやいた。
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