季節の足跡


俺はいわゆる、普通の人間だった。



体系も人並み。

顔も人並み。

頭も人並み。



ただ、勝負ごとに関しては、誰にも負けない自信があった。


喧嘩っ早かった当時の俺。


五歳ん時、近所のガキ(同い年)に足を踏まれ、大喧嘩になったのが始まり。


売られた喧嘩は買う主義だ。

一度も負けたことがないのが、俺の自慢だった。



喧嘩っ早い性格のせいか、親友と呼べるやつはいなかった。

唯一の友達には、ある日突然裏切られた。


だから、友達なんかいらないと思った。

仲間なんか、もっといらない。


口だけのやつらなんか、信用出来るか。


そうゆうやつらは、俺の記憶の片っ端から消していった。

真っ白に。





心のどこかでは

"仲間"という存在に

憧れていたくせに。




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