うちの所長知りませんか?

そろそろ解決しよう、解決しちゃおう、いくよ真美ちゃん

職員室を飛び出した僕は、大恩寺さんの教室――の真下に当たる中庭にやって来た。

校舎は学年で分かれていて、各学年校舎の間には中庭がある。

その茂みに、僕は探し物を見つけた。

「ちょ、せんぱーいっ、いきなんなんですっちゃあ~?」

「なにか、わかられたのですか、三ノ宮くん?」

遅れてやって来た真美ちゃん達に、僕は見つけたもの――

それは、英語教師の言っていた紙飛行機。

なんか、やたらめったら折り込んである、戦闘機型の紙飛行機だ。

どうなってるかわからないけど、脇に抱えているミサイルまで再現されてる、すごい。

「「これは、所長の作られた紙飛行機ですね」」

さすがに〝データバンク〟の二人はインテリなのか、一番遅れてやって来た。

「たぶん、いや、きっとそうだよ」

僕は四人の前で、慎重に紙飛行機を分解していく。

「四時限目の国語で大恩寺さんはイントネーションの練習で井上陽水の歌詞を引用したでしょ。で、『まだまだ探す気ですか』のあとを間違ってる。これはわざと」

破らないように、慎重に開く。かなり分解しにくいところから、たぶん、僕の予想は当たってるはずだ。

この紙飛行機には、なにか手がかりが書いてある。
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