魔法の角度
プロローグ

君のことなんて、ずっと前から知っていた。

僕は君を見ていたから。



だって君は、『金星』なんだ。



太陽が地平線の向こう側へ行ってしまうと、顔を出す金星。

自身で輝く太陽よりも、全然光度は低いけど。

他の恒星なんかより数倍綺麗に夜空に光る。



僕にとって、そんな君は一番星。

その不思議な明かりで僕を惑わせるんだ。



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