じいさんとアタシ
14

しばらくまた3人で話していると、

翔ちゃんの携帯が鳴り「ちょっとごめん」と外に出て行った。


「彼女かな?」


「あんなゴリラ好きな奴いるのか?」


「見た目じゃないよ、中身だよ」


「確かに中身は最高だな」


お互い静かに笑うと、ケンちゃんが言った。


「さっきひーんち、アニキと行ったんだ。

そしたら知らない男がでてきたんだ」


「そう…藤堂さんでしょ」


「会ったのか?」


「うん。お母さんと結婚するんだって。だからこれからは、私のお父さん」


「そっか…」



ケンちゃんはコーヒーを一口飲んで、アタシをジッと見た。



「なに?そんなに見られると照れちゃうよ」



「なんだそれ。いつも見てるのに」



なんだか今日のケンちゃん…

いつもとちがう。




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