Is this a Fiction?

そう……トイレのドアの鍵は、外からマイナス状の何か……例えば硬貨の様な物を使用すると、簡単にロックを解除出来るタイプのものだ。

開け方を知らない訳はないのである。

「十円玉でドアノブの……」

わざわざ説明しようとする俺をまるで制するようにママは上から言葉を被せた。

「ちょっと開けに来てよ、わからないから!」

やれやれである……

しかたなくBarのスタッフとトモヨに僅かな愚痴を溢しながらも、重い腰を上げて俺はまた二階へと上がったのだ。 


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