Is this a Fiction?

「警察は“不自然死”に対してであってもこの程度の動きしかしないのか」と言うのが、俺のその時の印象である。

この、いたって簡潔な聴取が終わり、死亡した彼女の所持品を回収して警察が帰ろうとした時、ソファの隙間から一冊のノートが見つかった。

見つけたのは俺だ。

このノートですら、適当に見流して問題視しない警察の態度と姿勢。

所持品の“ノート”が“ソファの隙間”から出てきたのに……だ。

何とも胡散くさいシチュエーション。

ノートには数々の数字が記載されていた。これは恐らく何かの金額が記してあるのだと察した。

仕事柄メモ書きや計算をするのだろうが、中途半端な一頁にこう記されていた。


『ご迷惑お掛けいたしました。死んでお詫びいたします』


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