LAST contract【吸血鬼物語最終章】
前に、隣のクラスの鳩羽ちゃんに呼ばれた時
『私と葵様は付き合っているの。だから、葵様に手を出さないでね』
って言われた。
『何で、ボクにそんな事言うの?関係無いし』
『昨日、手袋貸していたでしょう?だから。もう、あんな事しないでよね』
鳩羽ちゃんはそう言って、ボクに背を向けた。
その一軒があってから、ボクは浦さんを少し避け気味だった。
でも、よく会う‥この人と。
その度に浦さんにしがみ付く鳩羽ちゃんもよく見るんだけどね。
だから、仲が良いカップルだなぁ‥。とか思ってみたり。
浦さんが1人の時や、桃たち一緒の時は、必ず言葉を交わした。
『今日も寒いね』とか、『雪が明日も降るみたい』とか。
そんな他愛の無い話を積み重ねていくうちに、気づいてしまった。
ボク、浦さんの事
好き、かも。
もっと、一緒にいて沢山お話したいって思った。
駄目じゃん。
浦さんと鳩羽ちゃん、付き合っているのに。