LAST contract【吸血鬼物語最終章】

「な、に?」
「お前、何言ってんの?」

何言ってるかって‥‥

「ボクに、構っているより、彼女のところに行った方が良いって言ってるの‥」



ボクは、邪魔しちゃいけないんだ。
2人を‥



「僕が今、誰といようと僕の勝手」
「う、浦さ‥」
「何を、しようとも」

浦さんの冷たい手が、ボクの顎を捕らえた。
そして、荒く口付けられる。

「ん‥ふ、っ、イヤ!!」

顔を反らせば、浦さんの方に顔を向かせられた。
自然と、目が合うようになる。

「イヤ?違うでしょう‥」

薄く笑いながら言う彼の目に、悲しみの色が見えた気がした。
でも、知らないよ‥‥

「分からないなら、僕が教えてあげる」



こんな事。

こんな、浦さん。



浦さんの冷たい手が、ボクの服を乱暴に掴む。
最後に聞いた言葉は‥

「お前が、悪いんだ」

ボクが‥、悪い?
忍び込んでくる、その冷たい手。
それを抑えようとしたけれど、力で適う筈は無く。



「いやぁー‥ッ!!」





ただ、貴方の瞳は乱れていく自分だけを映していて‥

愛に溢れていた。



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