夢のつづき。

◎当日

康がいつもよりも少しだけ遅く起きた頃にさなは既に起きていて奈津子に助けられながら朝ご飯の目玉焼きと格闘していた。


奈津子が「おはよう。まださなには何も言ってないわよ。」と康の朝食の用意のために立ちあがりながら言った。


康は奈津子に対して小さく頷いてさなの隣に座った。


どうやら今日はぐずらないで起きたらしい。


「さな、おはよう。」と康が言うと「パパ、おはよう。」とニッコリしながらさなが返す。


「今日はパパとお出掛けしいようか?」と康が言うとさなは「パパと?ママは?」と不思議そうに康を見た。


「今日はね、パパと二人。ママはお留守番。いいかな?」と康はさなに確認する。


康はさなに嫌がられるかもしれないと少し構えたが、さなは「うん、いいよ。」と言った。


さなは行き先を聞いてこなかった。


もしかして近所のスーパーとかコンビニに行く程度のお出掛けと思っているのか?


それならば何も言わずにさなを連れて行って驚かせようか。


康は動物園の前で驚いた顔をするさなを想像して微笑んだ。


慣れた手つきで作った奈津子の目玉焼きとトーストをぱぱっと食べて康はしたくを整えた。


さなも奈津子に色々と準備をしてもらっている。


ピンクのリボンがついたお気に入りの帽子をかぶってさなが玄関に立つ。


康が「行ってくるよ。」と奈津子に言う。


さなが「ママ、お留守番よろしくね。」と手を振る。


「二人とも、行ってらっしゃい。」と笑顔で奈津子が応えた。


玄関を出るとカラッとした気持ちのいい空気に、やはり動物園に行くことにして正解だったなと康は改めておもった。


さなと手をつなぎ駅までの道を歩く。


その道すがらさなは偶然にも「ぞうさん」の歌を歌って歩いていた。


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