二股男─甘い誘惑切ない葛藤─

さゆりと愛の狭間

二股という最低な行為をしている俺……


愛と付き合いだしてから3ヶ月が経とうとしていた。


県外にいるさゆりと毎日連絡を取り合う中


ほとんどの時間を愛と一緒に過ごす


一見穏やかに見える日々が
今の俺の唯一の幸せな時間。


さゆりに甘い言葉を電話越しに囁きながら
同じ空間に愛がいるなんて
本当に最悪だよな。


俺がさゆりと話しているのが嫌なのか
それともさゆりに申し訳なく思っているのか
愛は、電話中はいつもお風呂に入っていた。


「ちょっと!!
しい君!?聞いてるの?」


「あぁ……聞いてるよ」


電話越しでも、俺のボーっとしてた時間を見逃さないさゆりが少し怖い。


天然じゃなかったのか?
こいつ──…
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