群青の月 〜『Azurite』take00〜
真木はテーブルに腕を横たえ
頭を乗せ、コーヒーの取っ手を弄る
「 ギター、ちゃんと勉強してないからさ
オレ
勢いだけで弾いて来たし
池上はドラム
教室に通って習ってたって言うし
大学の軽音サークルでも
あいつ欲しがってるんだよな
おまえの事も
青山、馬鹿みたいに上手いし
バイオリンまで弾けるしさ
びっくりしたわ 」
「 …中学までだよ
それからは空手やってたし 」
「 知らんかった どんくらい? 」
煙草に火をつけて
机の上に軽く、箱を放り投げる
「 黒帯 」
「 …マジかよ 」
真木は突っ伏し
頭で両手を掻き合わせた
「 あああ、やっぱオレ中途半端だなあ
器用貧乏なんだよな… 」
「 羨ましいよ 」
「 どこがだよ
外されたらオレ、
一生立ち直れ無いかも… 」
「 あずるだけ受かる可能性も大 」
煙を吹いて笑う
「 ―― あ〜 その手もあったか… 」
その時あずるが、両手パンチを
俺達に繰り出して来た
「 …いて〜よ ボウズ〜〜 」
「 何 」
「 ………そんなの断るもん 」
「 そーゆー慈悲はイラネ 」
真木は、机に顎をつけたまま
あずるの顔を睨む
「 ……有名になったら
楽器の人、好きな人、呼べる? 」
「 そうじゃねえの?わかんねえけど 」
「 有名になって、皆呼ぶもん!
『Azurite』絶対、やる…
CDとか出して、この名前ついてたら
呼んでるって思って 」
「 ………もしダメでも
音楽やめるなってか 」
「 うん 」