【企】あんたなんて大ッキライ!!



『じゃ、また明日な』

井川はあたしを家まで送り届けると片手を上げて颯爽と帰って行った。


無理…さっきのことを思い出すと恥ずかしくて仕方ない。

あれから…まあもちろん、キス…されたワケで。


半分本気でイヤがってるあたしと

いいかな、なんて思ってるあたしと

自分の中で葛藤していた。


でもそんな葛藤を井川は待ってくれるワケもなく、

大量のキスが降ってきた。


受け入れ始めてる自分が怖かった。

井川を好きになったら止められない気がして、怖かった。


意地悪なくせにその裏に優しさが見えて。

きっとその優しさはあたしにしか見せてない。


自信過剰で自分勝手で、
今のところ最悪なところしか見えないんだけど、

あたしは…好き。

井川…じゃなくて、裕貴のこと。




『このアドレス登録しとけよ

桃子の彼氏裕貴より』


そこへメールが届く。

内容はこんな感じ。


ア、ア、アイツ…いつの間にあたしのアドレスを…


前言撤回!!

あたしはあんなヤツのこと、好きじゃない!


裕貴なんて


大ッキライ!!








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