変わりたい *可愛いお姫様*

「健太でいい」

「え？」

「鈴木くんじゃなくて、健太！」


真っ直ぐと向けられた視線にドキッとする。


「け…健太…くん…？」

「んーまいっか。健太くんでもケンちゃんでも！
雛姫の好きなように呼んでくれればいいよ！」



ひな…き…？



「雛姫って呼んじゃダメか？」


今度は後ろから聞こえる声。


「…えっと…」


その後の言葉が出なくて、私はブンブンと首を大きく横に振った。



「じゃあ、雛姫な！俺は、ヒロでいいよ！」

「ヒロ…くん？」

「ん。雛姫の呼びやすいようで！」


ニコッと向けられた笑顔。


そして、視線を健太くんに移すと、

彼も優しく微笑んでた。





ケンちゃんと、ヒロくん。



私に、初めて出来た男友達。