傷付け合うわたしたち
 

「ありがとう」


そう言いながら、娘に少し意地悪な質問をした。


「じゃ、リノのせい?」


娘はうーん、と考えて、そして言った。


「リノのせいじゃ無い気がする……」


ちらっと申し訳なさそうにしてわたしを見る娘に、大きく頷く。


「誰のせいでも無いんだよ」


娘の柔らかい頬を両手で挟んでから、娘にオデコを付けた。


「誰にでも、得意なことと苦手なことがあるんだよ」



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