【長編】Love Step~冷血生徒会長×天然娘の恋愛初心者ステップアップストーリー~
「……。」

「え?」

お兄ちゃんの低い呟くような声を聞き取る事はできなかった。感情を抑えるような低い押し殺したうめき声だったから。このまま聞き返さないほうがいいかもしれないと本能が叫んでいる。
だけど、聞き返さない訳にはいかなかった。だって、龍也先輩に関する事である事は間違いないんだろうから。

「そいつを連れて来いって言ったんだ。俺がどんな奴か見定めてやるから。」

ああ、ほらやっぱり龍也先輩のこと…えぇ?今なんて言った?

「…先輩をお兄ちゃんに会わせるの?」

「そうだ、明日我が家のクリスマスパーティに招待してやる。そいつがどんな優等生か知らんが聖良に手を出す奴は許さねぇからな。…って、おまえまさかそいつとどうかなってんじゃないだろうな?」

「どうかって何よ?」

「どうかっつたらあれだろうが?」

「あれって何よ?」

「男と女が付き合ってたら自然にそうなるだろうが。」

「なによ。キスのこと?」

「んあ?まぁそれもあるが…。」



一瞬気まずい間が流れる。


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