【長編】Love Step~冷血生徒会長×天然娘の恋愛初心者ステップアップストーリー~
あたしは諦めたように溜息を一つ吐き出してわかりましたと言った。

先輩の事は確かに好きだし、先輩の想いが本物だって感じたから。

あたしの気持ちなんて、まだまだ憧れみたいな小さな想いだけど…

それでも先輩の気持ちに応えていきたいと思う。

きっと、先輩のこと、もっともっと好きになってしまう…


そんな確信みたいなものが胸の中芽生え始めている。



「じゃあ、明日から数学のほかにも勉強が一つ増えるな。」


龍也先輩がぎゅっとあたしを抱きしめ首筋に顔を埋めると、嬉しそうにそんなことを言い出した。


ゾクッと肌が粟立つ。


唇の動きを首筋に感じて、反応する自分の身体に自分自身が驚いてしまう。

先輩の背中に無意識に手を回して、縋る様にキュッと抱きしめると、先輩はとっても嬉しそうに言った。


「ほら、もう身体が俺を覚え始めてるよ?
明日からのStep Upが楽しみだな」

「Step Up?」

「そう、今日はキスまで。もう少し慣れてからNext Step。
少しずつ教えてやるよ。そのうち友達にバカにされなくなるさ」



……数学のほかの勉強って……



先輩は楽しそうに「あ~明日からが楽しみだあ」って、益々強くあたしを腕の中に閉じ込めていく。



動けませんけど…?先輩。



ああ、それより明日からがすごく怖い予感がする


一体何をどう教えるっていうんだろう?

ちょっと怖い想像を振り切るようにプルプルと頭を振る。

先輩はそんなあたしを、すごく優しい目で見つめていた。


先輩のこんな表情を見れるなら…ま、いっか。



すごく優しいこの顔が好き…。


ずっとこの表情を見ていられるなら

先輩の言う「もう一つの勉強」も悪くないのかもしれない

このときそう思ってしまった事。後になってずうっと後悔したけれどね



あの日あたしが落ちた階段は


Love Step(恋の階段)だったのかもしれない


あたし達の恋のFirst Stepは



多分あの時からから始まっていたんだと思う






Step1 Fin

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