【長編】Love Step~冷血生徒会長×天然娘の恋愛初心者ステップアップストーリー~

1月1日 10:00

美奈子先輩の従妹さんに着付けてもらって再び振袖を着たあたしは先輩に送ってもらって家の前まで来た。

「先輩お腹がすきませんか?昨夜から何も口にしていないでしょう。お雑煮か何か作りますから食べていって下さい。」

神社を出る前に勧められた朝食も先輩は丁寧に断って口にしなかった。
あたしも何となくお酒の名残もあって欲しくなかったからお断りさせてもらっていたからもう12時間以上何も食べていない事になる。

「いや。いいよ。あまり食欲が無いんだ。」

先ほどからずっと気になっていた。先輩は何だか顔色が良くなくていつもの様に笑っていてもどこか無理をしているようにあたしには思えてならなかった。

「龍也先輩。どこか具合が悪いんですか?顔色もあまり良くないです。あたしの前で無理はしないで下さい。」

「え、ああごめん。ちょっと頭痛がするんだ。さっき風呂から上がるときに目眩がしたんだけどあれから少し頭痛がしていたんだ。時間が立つに連れて段々酷くなってきたみたいだ。」

「大丈夫ですか。頭痛薬飲みますか?」

「いや、薬はあまり好きじゃないんだ。休めば治るよ。」

「じゃあ、少し休んでいって下さい。頭痛が治まるまででいいですから。もしかして風邪をひいちゃったんじゃないんですか?」

「大丈夫だよ。帰って眠ればすぐに治るさ。」

どうしても帰ると言い張る先輩に無理に休んでいけとも言えずに途方にくれていたときだった。

「おまえら何そんな所でいつまでも話しこんでいるんだよ。早く入って来いよ。」

不意に上から降ってきた声。

お兄ちゃんが2階の自分の部屋からあたしたちを覗き込むように見て呆れたように言った。


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