【長編】Sweet Dentist
「俺が買ってやったドレスは? 持って来たんだろう?」

「う…ん。でもなんだか恥ずかしくて」

スーツケースからリサイタルのときの桜色のドレスを引っ張り出すと、頬を染める。

「無理して背伸びしているように見えない?」

「大丈夫。むしろそのくらいのほうが大人っぽくて俺とバランスが取れるぞ」

「…あ、そうよね。響さんもついに30代だものね。あたしと益々年の差が…んっ!」

五月蝿い!と、その口を問答無用で塞ぐと、お仕置きのキスを容赦なく堪能する。

酸欠気味で腕の中でぐったりとする彼女をようやく開放して、ニヤリと一言。

「そうそう、今日は俺の誕生日だもんなぁ。
30代の俺の体力が千茉莉の10代の体力にどの程度劣っているのか、ついに確かめる日が来たんだよなぁ?」

グッと言葉に詰まって、その場にヘナヘナと座り込む千茉莉。

やはりまだ心の準備が出来ていないらしいと、笑いながら抱き上げると、ソファーに座らせた。


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