初恋~俺が幸せにしてみせる~
☆★20★☆
すぐに千穂を忘れるのは無理だった

無理だとわかっていた

忘れられるはずがない

忘れる為に、何人かの
女を抱いた

愛してもいない女を
抱いていた

何でこんな女を
抱いたんだと後悔に
苛まれる

それでも抱いていた

抱いた後にタバコに
火をつけて、揺れる
煙をボーっと見つめた

千穂のタバコを吸う
仕草を思い出す

千穂にはタバコが
とても似合うんだ

カッコ良く見える

タバコに火をつける度に千穂を思い出す

人差し指と中指に
挟まれたタバコ

千穂は少しキツメの
タバコを吸っていた

男と同じなのか?

わざと一緒のタバコを
吸っているのか?

『灰落ちるよ』

女の言葉にハッとした

慌ててタバコを
灰皿に押し付ける

『昔の女でも
思い出してた?』

何で女はズバリな事を
言い当てるんだよ

『あぁ』

俺は軽く流して
シャワーを浴びに
浴室へ向かった

少しぬるめのシャワーを頭から浴びた
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