こころのたび
赤いみち
赤く燃える灼熱の長い長い道が続いている。
その道には隆起した不安定な丘があったり、予期せぬ大きな穴があったりする。道は永遠と続く道で、その地には煮え滾った溶岩が流れ、その道を幾多の人が、様々な人種が、男女が、同じ方向に向かって歩いている。いや、歩いている、という表現はおかしいかもしれない。走っている者、立ち止っている者、丘に登っている者、穴に足を捕られている者、それぞれがいる。
そして彼等は皆、何も身に着けてはいない。
キレイな洋服も、流行のブランド品も、高価な靴も、清楚な下着も、派手な化粧も、美白の肌も。
彼等は丸裸にされ、全身の皮膚を削がれた状態。
誰もが皆、同じ。
筋繊維が露わになった彼等は、地のそれより赤く、誰が誰か区別すらままならない。
各云う俺もその中の一人。そんな俺達が赤く燃える灼熱の長い長い道を進んでいる。
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