ご主人様の仰せの通り!【短編】



屋敷には全部3つキッチンがある



三ツ星レストランのシェフがいる中央キッチン



スイートとか、食後のデザートを作る右キッチン



そして、悠様の執事である真部さんが使う左キッチン



司様の午後のお菓子はいっつも左キッチンからもらってくる



真部さんは司様の好みがよくわかっておりますから




「真部さ~ん、これ嫌いって言ってました~」



「そうでしたっけ?最近までそのチョコパイが一番好きでいらっしゃったのに…また、好きなものが変わったんでしょうか?」




てか、あいつコロコロ嫌いなものとか好きなものとか変えすぎだし



昨日まで普通に食べてたものや読んでた雑誌とか、次の日になったらすぐに嫌いになる



どういう神経じゃゴラァ!!



「しょうがないですね…はぁ…」



溜息をつき、真部さんは棚や冷蔵庫からいろんな材料を出した



「何するんですか?」



「たまにあるんですよ。そんなときは、私のお手製のホットケーキを食べさせるのが一番です」



さすが、真部さん。あいつの扱いには慣れてる



でも、このチョコパイはどうしよう…



「捨てるのも勿体無いので、どうぞ桜子さん召し上がってください」



「いいんですか!?」



わぁーい!




< 14 / 33 >

この作品をシェア

pagetop