~異種魔法異能力挌闘SFファンタジー~ 帝竜 -ミカドノリュウ- Ⅱ 竜と炎の王
第三章:救出;Received SOS
「テメェ……」

 唸るように、麟紅は尋ねた。

「いったい何者(なにもん)だ……?」

「答えるまでもねぇだろ……」

 物干し竿のような刀を掲げ、女は低く笑った。

「<黄金の暁>……だよ」

「<黄金の……暁>だと……?」

「まさか……魔法使い……」

 アズラクの思わぬ言葉に、麟紅は思わず「あ?」と睨みと同時に聞き返した。

「うわぁあ! そ、そんな睨まないでよ……! じゃない、麟紅くん! 早く逃げて!」

「ちょっと待て……。お前も……魔法使いなのか……?」

「う、うん、そう……あれ? “も”?」

「グダグダうっせぇ!!」

 痺れを切らした女が、数メートル遠くから手に持った刀を薙いだ。同時に刃(やいば)から無数の風の刃(は)が飛び交った。
 避けようにもここは路地裏。かわすことが出来るほどのスペースは、ない。

「な! ヤバ……!」

 絶体絶命を感じ、目を閉じた次の瞬間、後ろから声が聞こえた。

「神の名において(ビスミッラー)!!」


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