鬼 鴉【総集編】
狂獣と変貌した黒鬼は、野生の動物を思わせる程の動きを見せる。
虎視眈々と俊敏かつ確実に闘兵衛らの生命を狩ろうと、その距離を詰めて行く。
散開し、各々で対応する闘兵衛、銃佐ェ門に皐月らは、牙を剥く獣に対して、それぞれ己が刃を持って挑むのである。
先制攻撃は、銃佐ェ門から始まった。
『パァンッ』
渇いた炸裂音とともに、銃佐ェ門の回転銃が火を噴く。
しかし、銃弾の目指す先に、標的の姿はない。
殺意を肌で感じとったのか、黒鬼は人間とは思えないほどの反応速度で、地を駆けていた。