鬼 鴉【総集編】
「クロオニの奴、何やってんだっ!?」
ランスが叫ぶように、声を荒げる。
まさか、無敵を思わせていた黒鬼が、ぶざまに倒れているとは考えてもいなかったからだ。
ロインら一行がその目にしたのは、鬼人が闘兵衛に襲われている瞬間であり、黒鬼が、少し離れた場所でうずくまっている場面だった。
「船長っ!!もう少し、寄れませんかっ!?」
終始冷静であったロインが切羽詰まった表情を浮かべ、ジェノスに向かい叫び掛ける。
「……無理よっ!!コレ以上寄ると、退却の足が出遅れるっ!!」
ジェノスは部下に指示を出しながらも、単刀直入にロインに答えた。