繋げぬその手に優しいキスを・・【未完】
*雨上がり
「ななみ!!」


ざわつき始めた昼休み。


教室の入り口でいつも通り私を呼んでいる。


「なに~?実架!!」


実架は口元に怪しい笑みを浮かべるとグラウンドを指差した。


「で、その後・・先輩と進展あったの?」


「その後って実架に関係ないじゃん!!」


「だって先輩カッコいいし色々気になるの~」


私は少し口を尖らせると実架を軽く睨んだ。


「この前ね・・練習の後帰るとき・・手・・・」


「そこまで言ったんなら恥ずかしがらずいいなよ~」


赤面する私を焦らせる実架。


「手ぇつないだの!!!!」


ただでさえ声の響く廊下に私の大声が響き渡った。


廊下にいる生徒が全員私の方を見た。


とっても恥ずかしかった・・


でも。


今思えば幸せはなのはその時だけだった。
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