討竜の剣
最終章
鎧を身にまとう。

討竜の剣を鞘に納め、背中に背負う。

その隣ではナハトも鎧を身につけ、ライフルを肩にかけていた。

準備万端。

俺とナハトはいよいよファイアルの領土を抜け、ドーラへと向かう。

土の民の住むドーラ。

環境汚染により動植物が激減する地域。

そしてその汚染は遂に、魔物を突然変異させるまでに至った。

最強の魔物、竜種にさえも影響を及ぼす汚染地域。

「アキラ…」

ナハトが俺に外套を差し出した。

フードがついて、口元まで覆える外套だ。

「ドーラの領土に入ったら…これをつけて…ドーラの空気は…人間には毒…あまり吸わない方がいい…」

ドーラ人は外出の際には、このような外套や口元を覆うマスクを必ず着用するという。

そこまで汚染が広がっているのかという驚愕と共に、それでも…ナハトにとっては大切な故郷なのだと実感する。

守ってやりたい、ナハトの故郷を。

その為に俺はこの剣を作る事に協力したんだ。

「よし…行こう」

俺達は街を出た。

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