奴隷と悪魔




“ガラッ・・・”



 教室に入ると、まず目に入ったのは、深君。



 深君に私と茉里唖のこと何も言ってないけど・・・。



「あ。美衣菜」



「深君・・・」


 私と深君は気まずい空気のまま黙ってしまった。


 すると、


「沙神。迷惑かけたな」


 茉里唖はそれだけ言って、私の後ろの席に座った。


 茉里唖のその一言だけで深君は理解したようだった。


「よかったね、美衣菜」


「うん。・・・有難う、深君」


「ううん。俺は何もしてないから・・・」


「してくれたよっ少しだけど支えてくれたもん」


「そうかな」


「そうだよ。有難う」



 後ろや先生に聞こえないような小さな声で、私と深君は話した。


 深君には何度お礼を言ってもたりないと思う。



 とても優しくしてくれたから・・・。







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