空は見えますか
第一章 発覚
「一ノ瀬さん。可愛い女の子ですよ。よく頑張りましたね、見えますか?」
看護師さんの声が聞こえた。
あ、ホントだ。赤ちゃんだ。
サルみたい(笑)でも、凄い可愛い…。私、ママになったんだ。
こんなに可愛いんだもの。ずーっとママが守ってあげるよ。ね、私の赤ちゃん。

「これから大変よ。しばらくは三時間おきにおっぱいやオムツだからね。」
看護師さんが笑顔で答え、私に赤ちゃんを抱かせてくれた。
私はこの日を一生忘れないと思う。

一週間後。私は退院し、誰もいないアパートに帰った。
今からたった一人で子育てが始まる。不安と嬉しさでいっぱいだった。赤ちゃんの父親は、妊娠した時にその事を告げると堕ろせと言った。
私は赤ちゃんを堕ろせる訳も無く、黙ってそのまま出産した。こんな風に産まれて来たけれど、いっぱい愛されて産まれて来たんだ。
だから希望の光が、いつも赤ちゃんに注がれるように、私は赤ちゃんに『あさひ』と名付けた。


毎日毎日、育児に家事、買い物と、休む暇も無く、身体はもうおかしくなっているようだった。
なぜか怠くて、思うように動かせない。そして全身の筋肉が痛い…。顔の筋肉まで痛いよ。なんで?
腰の辺りも激痛が走って、
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