空は見えますか

第二章 開始と苦悩

尋斗は看護師だったため、花純から事情を聞き すぐに病気を調べ始めてくれた。

そして分かった事は、
近年知られてきたばかりの病気だと言う事。
医療従事者でもまだ認知されていない病気である事。

まだ研究が始まったばかりの段階で、治療方法なども限界がある事。
線維筋痛症に関しては、まれに完治する人も居るという事。

脊椎関節炎は合併しやすいという事。

仙腸関節炎は進行すると、寝たきりになり、自力では動けなくなるという事。

重症者は稀で、生活に大きく支障をきたす人はあまりいない為理解を得られにくい事。

そして理解を得られない為か、この病気では自殺者が出ているという事。

尋斗はその他にも色んなことを調べてくれた。私は尋斗の行動に驚きを隠せなかった。
まさかそんなに私の事を考えてくれるとは思わなかった。

そしてもう一つ驚いた事。尋斗は看護師なだけにオムツ交換もミルクもあやすのもお風呂も、とても上手く、夜泣きまで一緒に起きてあやしてくれたのだ。

私が大変だろうと気遣っていてくれた。だけど、私は何故か不安でたまらなかった。
だんだん父親らしくなってくる尋斗を受け入れられなかった。
私の心はもう、尋斗から遠ざかっていたのだ。
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