ーキミノイナイセカイヘー
Destinyー笑えれば
サクラの一周忌が済んで少し落ち着いた頃。

それは予告もなく突然訪れる。



ナツは部屋でナナ吉と遊んでいた。

ナナ吉は高い所から飛び降りると「ムギュ」っと潰れたような声を出す。


ナツはそれが可愛くて仕方ない。

この1年、仲間とナナ吉にどれだけ救われたか―


しかし、誰かを好きになることは考えられない。


(とにかく今は笑えればいいさ)


そう思いながらナナ吉にマタタビを振って見せる。


甘え声ですり寄るナナ吉。

「お前もジャンキーか?」


笑いながら南とサクラを揶揄(やゆ:からかうこと)出来るようになった。


その時、アユムから電話が鳴った。


「今日さぁコンパあんだけど、どぉ?プリクラ見せてもらったけどアベレージ高いぜ」

自信アリ気な様子が窺える。

「ワリィ!今日パス。ナナ吉と遊んでやるから、別の奴誘ってよ」


「だってサリー女ネタ来ねぇじゃん、コヤジ誘ったら清が呼んでるってコンサート行ったし」

「ハチベーは?」
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