私だけのスーパーマン
アネモネ






目を開けるのがいつも怖かった。



あなたが…いないことが分かってたから。


私はゆっくりと体を起こし冷えきった右側の枕を抱く。

微かに香るあなたの匂い。



悔しいけど私はその匂いが大好きだった。





「ふぅ〜」


息を吐き出すと枕をもとの場所に戻し
脱ぎ散らかした服を着ていく。



あたなは今きっと

笑顔が素敵な奥さんと

愛する息子さんと


朝食を食べてるころだろう。



きっとあなたは知らない。



いつもこうして1人になったホテルの部屋で



…私が泣いていること。










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