私だけのスーパーマン
「まあ…来ないとは思ってたけど!
でも、連絡くらいしないさいよ。
ってか電話に出なさいよ!
メールの返信しなさいよ!」
後ろの方でまあまあ…と綾をなだめてる声が聞こえる。
「うん…そうだよね。
ごめん。綾」
ふと、顔をあげると鏡に映る自分と目が合う。
ふっ…思わず笑ってしまった。
私、なんて顔してるんだろ。
この世で自分が1番不幸です、みたいな顔。
惨めな顔。
ありえない。
今…誰にも会えない。
それくらいヒドイ顔をしていた。
「いつまでウジウジしてんの?まったく。
あんたがウジウジしたって何も変わらないでしょ?
違う?あたしの言ってること間違ってる?
あんたがウジウジして、奥寺の家庭は元通りになる?
ならないでしょ?
ね、すみれ。
これは紛れもなく、現実なのよ。
夢とは違う。
現実には始まりもなければ終わりもない。
だから辛いことに終わりは来ないかもしれない。
でも時が経てば何もかも忘れられるよ。
みんな、待ってるから。
早く…大学来なさいよ」
綾はそれだけ言って私の言葉を待たずに電話を切った。