私だけのスーパーマン





「まあ…来ないとは思ってたけど!

でも、連絡くらいしないさいよ。


ってか電話に出なさいよ!

メールの返信しなさいよ!」



後ろの方でまあまあ…と綾をなだめてる声が聞こえる。




「うん…そうだよね。

ごめん。綾」


ふと、顔をあげると鏡に映る自分と目が合う。


ふっ…思わず笑ってしまった。

私、なんて顔してるんだろ。


この世で自分が1番不幸です、みたいな顔。

惨めな顔。


ありえない。


今…誰にも会えない。


それくらいヒドイ顔をしていた。



「いつまでウジウジしてんの?まったく。

あんたがウジウジしたって何も変わらないでしょ?


違う?あたしの言ってること間違ってる?

あんたがウジウジして、奥寺の家庭は元通りになる?


ならないでしょ?


ね、すみれ。

これは紛れもなく、現実なのよ。


夢とは違う。


現実には始まりもなければ終わりもない。

だから辛いことに終わりは来ないかもしれない。


でも時が経てば何もかも忘れられるよ。



みんな、待ってるから。

早く…大学来なさいよ」


綾はそれだけ言って私の言葉を待たずに電話を切った。







< 179 / 234 >

この作品をシェア

pagetop