私だけのスーパーマン
リンドウ






『…………すみれさん!』


あの日からどのくらい経ったんだろう。


泉さんとの関係も

洋くんとの関係も

タカとの関係も


何も、変わってない。


そしてそんな平穏な日々に終わりが告げようとしていた…



「あれ?洋くん」

人をかき分け私のところまで来る洋くん


息を切らせていてとにかくすごい焦りよう。



『さっき…俺も聞いたんっすけど…』

息が切れて言葉が途切れ途切れで分かりにくい。



「洋くん?とりあえず、落ち着こう。

で、落ち着いたら何があったか教えて?」


洋くんは首を縦に振り、近くのベンチに腰を下ろす。


何度か深呼吸を繰り返し、持っていたミネラルウォーターを1口含むと口を開く。




『姉ちゃん、知っちゃったんです。』


そこで1度、洋くんは言葉を切った。


私の心臓はドクドクと音をたて始める。



『貴大に彼女がいるってこと、知っちゃったんです…』










< 80 / 234 >

この作品をシェア

pagetop