看護学校へ行こう
三年生になって
 いよいよ私たちは、三年生になった。部屋は相変わらずかき山と一緒で、お互い良い距離を保っていた。それにもう寮では怖いものなしである。後輩は廊下ですれ違うたびに頭を下げるし、門限破りも堂々と行っていた。何せ、怒る人がいない。やりたい放題である。ところがこれが実習となると、たちまちしおれてしまう。ナースに

「もう三年生だからできるよね?」

などとよく言われた。だが一年生だろうが三年生だろうが、初めてやることはできないのである。ナースが何故そんな意地悪な言い方をするかというと、

「三年生だから経験していて当たり前。」

という意味なのだ。つまり経験していないのは、真剣に実習していない証ということになる。私はナースからこのセリフを聞くたびに、寿命が縮まる思いがした。

「やったことないよ、どうしよう。」

と泣きそうになるのだ。だがやったふりもできず、

「わからないので教えてください。」

と言うと、ナースははあ~とため息をつく。そのため息は、私を責めているようにしか聞こえない。三年生になり実習は週3日とも一日オール実習になった。この頃レポートに

「早くナースになりたいです。」

などと書いてしまい、教務に怒られた。本当はナースの方が何倍も大変だということを学生の私には理解できなかった。
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