看護学校へ行こう
部屋替え
 看護学校の寮では、9月になり、部屋替えを行うことになった。一年生は全員4人部屋で、くじびきで決める。いったい誰と一緒の部屋になるのかわくわくした。結果、シロクマちゃん、ふじ山、まやちゃんと同じ部屋になった。私たちは35号室だ。新館で、机が二つずつ両側について、棚も設置されている部屋だ。ものがたくさん置けるので、嬉しかった。で、メンバーであるが、シロクマちゃんは超美人、大きな目が潤んでいて、鼻筋が通った完璧な顔立ちだ。いつも笑っていて、それでいて肝の据わったなかなか根性のある人だ。シロクマちゃんは、札幌の進学校卒業だが、あまり勉強しなかったという。私はシロクマちゃんの出身校を聞いただけで、何故この学校をチョイスしたの?もっとレベルの高い学校に行けただろうにと思った。それほど道内では有名な高校出身なのだ。逆にふじ山は3月生まれでクラスで一番年下なのに、妙に落ち着いていて、はしゃぐこともなく、一番年上に見える。彼女、北海道の奥地のおこっぺからやってきた人で、自ら言うには札付きの不良だったそうだ。町でふじ山の名前を知らぬ者などいず、

「あの子と遊んじゃ駄目よ。」

とよその親は言っていたと本人が言う。授業中廊下で先輩に、

「ふじ山、この野郎、出てこい、こらっ!」

と騒がれたり、トイレでバケツの水をかけられたりなど、私には想像できない世界で生きてきた。シロクマちゃんが生粋の進学校出身なら、ふじ山はその逆で、損な不良がなぜ看護学校に受かる?勉強したんかいなと思ってしまった。いつもけだるそうにたばこをふかしている、どこか遠くを見ているような人だった。
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