秘密の生徒会室

ゴソゴソ鞄をあさって、やっと見つけた『校内式場案内図』と書かれた一枚の紙。

「これで助かるよ〜っ…て、ゔ?」

さすが、名門。
敷地どんだけー。

そもそも現在地が分からないからどうしようもないんだけどぉ。

方向オンチな癖に舞い上がって浮かれてたら、こんなとこで迷子になってしまった。


腕時計の時刻は9時50分。
開会式まであと10分。



これじゃあ、遅刻しちゃうなんて思っていた矢先の出来事だった。

ぶおっと勢い良く風が吹くと、私の手に持っていた案内図を拐っていく。


「待って…!」


私の手から離れたその紙は、風に乗って宙を舞う。

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