∞いちしのはな∞
足が、出ない。
彼女の顔は、今どんな風?

怖いんだろうか。

見たくないんだろうか。


あと一歩踏み出せば、この靄は晴れるのに
不可解な不安の方が辛いのに。


不可解な不安の方が怖いのに、残酷な現実が待っていたらもっと怖くて
やっぱり、足がすくむ。




足が、後ろに一歩進んだ。

気がつけば僕は不可解なまま、逃げ出していた。
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